石畳の表通りに打ち水でもあれば、玄関や勝手口などを少し開けておくだけで、そこには清涼な風が流れ込む。盆地にある京都の夏は凄まじい。しかし、中庭があるおかげで、京の町屋は、思いのほか涼しく過ごすことができるのである。まさに都市に住む、住まいの原点があった。玄関を入って土間があり、つき当たりが暗室、手前右がリビング、そして右奥に中庭があり、光と風は家を通り抜ける。中庭に面した反対側のダイニングは、東も西(中庭側)も風が通る明るい部屋となった。風が通る家なので、本来ならば人も家も湿気ないはずだ。快適で住みやすいといわれていたのだが、最近アパート部分の北側外壁より雨漏りがあったらしく、発見が大幅に遅れ、柱が一本溶けてなくなるほどのダメージとなっていた。中庭とはまったく反対側の外壁で、しかも運の悪いことに数年前にビニール塗料でその部位を封じ込めるように塗り替えたという。人に貸していたために、その状況がつかめなかったこともある。改めて湿気の恐ろしざを思い知らされた。そして外壁の通気の重要性についても考えさせられ、呼吸するセラミック塗剤などを開発するきっかけにもなった。その後、下呂温泉のほど近くにつくらせていただいた「中島邸」は、まきに健康住宅そのものだ。
外壁の通気の重要性
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